日時: 2014 年 12 月 10 日
場所: 府民ホールアルティ
網井:
ドメニコ・スカルラッティはバッハやヘンデルと同時代の作曲家で、555曲ものチェンバロソナタを残しました。
今回はその中からパストラーレ(牧歌)とも呼ばれるK.9をギターデュオ用に編曲したものを演奏します。物哀しい旋律でありながら、どこか暖かみを感じさせる、たいへん魅力的な一曲です。
植野:
数か月間アミー君を口説き続けて、ようやく成立に至った今回のデュオです。この曲は様々な楽器による編曲版があって、どれもそれぞれの良さがあって面白いです。
一見代わり映え無く見える日々の中にも確かな感動があって、そういった見落としがちなものを感じさせてくれる曲だなーって勝手に思ってます
1st | 網井 圭 (工 3) |
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2nd | 植野 夏樹 (工 3) |
ヴェネズエラ風ワルツです。ベネズエラじゃなくて、ヴェネズエラです。
Wikipediaにも載っていないラウロさんの代表作です。
ワルツの三拍子の中に、3曲それぞれ異なった南米の空気を感じ取ってもらえれば幸いです。
三田 佳那子 (工 2) |
Leise flehen meine Lieder
durch die Nacht zu dir;
in den stillen Hain hernieder,
Liebchen, komm zu mir!
……
ああシューベルトよ、どうかドイツ語の単位をください!
周 吉羽 (工 1) |
元はホアキン・マラッツによるピアノ曲ですが、近代ギターの父と称されるフランシスコ・タレガの編曲によりギターで演奏されることが多くなりました。
スペインらしい情熱的なリズム、そしてセレナーデの持つ甘美さの両方を感じ取ってもらえるよう、精一杯演奏します。
網井 圭 (工 3) |
「忘却」という名がついたこの曲、元々ピアソラがイタリア映画「ヘンリー4世(エンリコ4世)」のために書いた映画音楽です。別れた恋人を忘れることが出来ない歌詞もあり、忘れたいのに忘れることが出来ない苦しさを感じさせる悲しい美しさが魅力でフィギュアスケートにも使われました。まだまだ人生経験豊富とは程遠い若造2人ですが精一杯頑張ります。
1st | 柳沢 かおり (工 3) |
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2nd | 本多 信太郎 (工 4) |
【結婚式の踊り】(この曲直前の台詞)
¡Viva el nuevo marío! ¡Con su hermosa mujer! ¡Viva y viva Carmela! ¡Viva Paco también! ¡Olé y olé! ¡y olé ya! ¡Arsa niñas, y a bailar! |
ばんざい 花婿! 美しい妻と一緒に! ばんざい ばんざいカルメラ! ばんざい パコにも! オレ オレ! オレ ヤ! さあ 娘っ子たち 踊ってくれ! |
【通りの窓から結婚式を覗いたサルー】(この曲の後の台詞より)
¡No! ¡Necesito verle! ¡Basta ya de traición! ¡Que muera o que él me mate! ¡Que muramos los dos! ¡Qué infamia! だめよ!私はあなたに会わなくちゃ! |
裏切りなんていやよ! 彼に死んで貰うか それとも私が殺されるか! 二人とも死ぬか! 何というこの怒り! |
1st | 加藤 功一 (理 2) |
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2nd | 金丸 花実 (文 3) |
ルクレールは18世紀に活躍した作曲家で名うてのヴァイオリニストでもありました。数多くのヴァイオリンのためのソナタや協奏曲を遺しています。
音楽の気晴らしとは演奏を楽しむための簡単な曲集ということであります。どんな簡単な曲でもギター弾き始めた最初は全部通して弾けるようになるまでにすごく時間がかかったなぁとそんなことを思い出しながら、初心忘るべからずだなとこの曲を選びました。1年生にとっては気晴らしどころではなく本気モードで臨む初の定期演奏会でございます。音に楽しむ姿を是非ご覧ください。
conductor | 吉村 沙樹子 (京 2) |
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1st | 山﨑 活志 (工 1) / 大西 優太 (法 1) / 貴瀬 翠 (農 1) / 小柴 絢一郎 (工 1) |
2nd | 周 吉羽 (工 1) / 長谷川 智彦 (農 1) / 紺野 真由 (医 1) |
3nd | 周防 航 (経 1) / 上田 夏菜 (工 1) / 公文名 翔平 (工 1) / 大庭 健嗣 (理 1) / 武田 宙史 (法 2) |
言わずと知れたビートルズの名曲。1回生から3回生の有志で演奏します。
「愛こそはすべて」とは言ったものの、愛って何なのでしょう。確かに分かるわけではないのにどうして、私たちは愛をうたうのでしょう。
……うーん、愛って、そうやって問い質して、深く考えることではないのかもしれませんね。
It's easy.
All you need is love.
愛あふれる演奏をご期待ください。
1st | 渡辺 悠夏 (経 3) / 三田 佳那子 (工 2) / 大西 優太 (法 1) / 紺野 真由 (医 1) |
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2nd | 金丸 花実 (文 3) / 福田 壮二郎 (理 2) / 貴瀬 翠 (農 1) |
3rd | 柳沢 かおり (工 3) / 平子 丈 (理 2) / 小柴 絢一郎 (工 1) |
4th | 梶 龍馬 (工 3) / 田中 雅士 (工 3) / 上田 夏菜 (工 1) / 長谷川 智彦 (農 1) |
Bass | 植野 夏樹 (工 3) / 吉村 沙樹子 (京 2) / 大庭 健嗣 (理 1) |
この曲、聴いたときに直観的に何かビビっとくるものがありました。その得体の知れない何かを少しでも皆さんにお伝えできるよう演奏します。
植野 夏樹 (工 3) |
「18のライプツィヒ・コラール集」より、コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」
この曲はルターの待降節用コラールを元にした有名なオルガン曲ですが、ギターで演奏す るのを聴くのは初めてな方が多いのではないでしょうか。待降節、すなわちキリストの誕生を待ち望む時期、すなわちクリスマス前。まさに今にぴったりな曲というわけです。ただキリストを待ち望む曲と言っても、明るく楽しく、もうすぐ!楽しみ!...という曲で はありません。
待降節を象徴する夜の静けさを表している様であり、段々と夜明けの光が見えてくるようで、でもどこか後の受難を感じさせる様な切なさもある。そんなこの曲の魅力を伝えることが出来たら幸せです。
柳沢 かおり (工 3) |
ティエントとは、スペインで発達したオルガンの独奏でよく使われた形式です。ティエントは厳格に決まった形式ではなく、様々な曲がティエントとして書かれています。
TIENTO ANTIGUOは、和訳すると古風なティエントという意味です。この曲の深淵さを 表現できるように演奏したいと思います。
平子 丈 (理 2) |
リベルタンゴってかっこいいよね
でもフリータンゴってすると一気にださくなるよね
どっちも自由タンゴって意味なのに不思議だね
フリータンゴってなんとなく響きがフリーターに似てるからかな
無料のだんごみたいだしね
ケータイでタンゴって打つと勝手にだんごに変換されるんだけど
俺らの演奏はどっちかというとフリータンゴだね
うん…
1st | 内山 隆太 (理 4) |
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2nd | 本多 信太郎 (工 4) |
1950年代に作曲され、2001年に発見された3楽章からなるソナタ。
誰かが語る声、風景、手触り、香り、感情、いろんなものへの想いを込めて演奏します。
金丸 花実 (文 3) |
モンテベーロ組曲は、1991年、メキシコのギタリスト兼作曲家であるオリバにより作曲されました。「湖に咲く花」「金色の織物」「森林」の3曲から成り、曲ごとに様々な心情や情景が表れた美しい組曲です。
「金色の織物」はシンプルでありながら、とても叙情的な1曲です。
この曲に込められた感情を織物に織り込むように、1つ1つの音に思いを乗せて、心に響く演奏ができたらと思います。
井川 桃子 (総人 4) |
「音楽の父」ヨハン・セバスティアン・バッハによる、チェロ独奏曲の最高峰と称され る「無伴奏チェロ組曲」全6曲の中から、第4番よりPrelude, Sarabande, Gigueを、サダノフスキーによるイ長調編曲でお送りする。変ホ長調というチェロでは演奏しづらい原曲の調性、またそのとらえどころの無さから演奏されることが比較的少ない第4番である が、そのとらえどころの無さを、様々に表情を変える味わい深さへと昇華できればと思う。
上下2オクターブを超える分散和音が、その色合いを変化させつつ次第にうなりを上げていく。譜面上は単旋律であるが、複数の声部が聴こえてくる。言葉で説明することのできない大きさを感じさせる、組曲の始まりを告げるにふさわしい前奏曲。
4分の3拍子のゆったりとした舞曲。2拍目に強拍を置くSarabande特有の優雅さを持ちつつも、曲全体を通じて敬虔さを感じることができる。最後の静謐な上昇音階は本演奏の一つのハイライトともいえる。
8分音符三つで一拍を成している、8分の12拍子の舞曲。第4番の終曲でもある本曲には果敢に前に進もうとする推進力とロマンティシズムが感じられる。演奏難易度という点からも、また軽快さという私からこの上なく縁遠い表現を求めらるという点からも、3曲の中で最も苦しんだ曲であった。その分個人的な思い入れも最も強い曲なのであるが。
4年間最後の、と書けるならばどれほどよかったことかと何度も思うが、しかし振り返ってみればそれなりに濃密で、多くの方々に支えられた忘れがたい3年間であったと思う。
音楽がこれからも人と人とをつなぐものであり続けることを切に願いつつ演奏したい。
貫 龍太 (経 1) |
この弦楽四重奏第二楽章は、ラヴェルが27才の時に作曲し始めた曲で、4つの楽章からなります。結局ラヴェルが作曲した弦楽四重奏は生涯この1作品のみでした。後ほど出版の際に多少改訂されたとはいえ、若くして、しかも自身の弦楽四重奏1作目にしてこれほどの傑作を作り上げてしまう辺りにラヴェルの奇 才ぶりがうかがえます。全体を通して、突然の転調、リズム、テンポの変化が多用され、全く予測のつかない景色の変化を続けますが、それなのに1つの楽章として、更には4楽章全体として、一つの流れを感じさせるような、とても面白い作品です。
今回演奏する第2楽章は、Assez vif. Très rythmé (十分活発に、とてもリズ ミカルに)という題がついています。唐突な例えですが、昔の懐中時計とか時計台って、機械仕掛けの極めて精密な作りをしているのに、そこにとても活き活きとしたファンタジックな世界を連想しませんか?この曲からそういった美しさを感じます。風景の変化に富んだ曲なので、ここではあえて曲の具体的内容には触れないでおきます(曲紹介になってなくてごめんなさい)。とにかく演奏を楽しんでいただければ幸いです。
conductor | 植野 夏樹 (工 3) |
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Alto | 渡辺 悠夏 (経 3) / 井川 桃子 (総人 4) |
1st | 池内 勇哉 (工 3) / 金丸 花実 (文 3) / 福田 壮二郎 (理 2) |
2nd | 網井 圭 (工 3) / 田中 雅士 (工 3) / 貫 龍太 (経 1) / 半場 悠 (理 2) / 吉村 沙樹子 (京 2) / 小柴 絢一郎 (工 1) |
3rd | 梶 龍馬 (工 3) / 内山 隆太 (理 4) / 本多 信太郎 (工 4) / 三田 佳那子 (工 2) / 武田 宙史 (法 2) / 周 吉羽 (工 1) |
Bass | 柳沢 かおり (工 3) / 杉浦 航 (理 3) / 加藤 功一 (理 2) / 平子 丈 (理 2) |