日時: 2010 年 12 月 17 日
場所: 府民ホールアルティ
ロンド形式とは主題が廻りまわって何度も繰り返されるという形式です。つまり私が最初に弾くメロディーが何度もまわってくるということになりますね。
演奏後にも皆さんの頭の中でこの曲がまわっていくように、感情をこめて弾きたいです。
中西 智宏 (工 2) |
形式(A-B-A-コーダ)や各部分の旋律の性格などショパンの香り漂う円舞曲。特に最後あたり目回りそうです。回り過ぎて爆発しないよう頑張ります。 Shall we dance?
橋村 秀典 (理 2) |
感情の波が幾重にも重なり、溜息もつけないような絶望に包まれる。
インベンションはバッハがピアノの練習曲として作った曲ですが、高い芸術性を秘めています。今日はその中から絶望と悲嘆を感じさせる二番を弾きたいと思います。 1stと2ndの掛け合いにより、空間の広がりが表現されているこの曲を二つのギターで表現しようと思います。
増岡双子には二種類あります。
同性で容姿がよく似た一卵性と、同性とは限らず容姿が似ていない場合もある二卵性です。
とある大学で、生き別れになった二卵性の双子が、運命的な再会を果たしました。
そう、実は、私たちは二卵性の双子なのでありますおか。
竹田 和樹 (工 2) | |
増岡 千裕 (農 2) |
エストレリータ、はスペイン語で小さな星、を意味します。
この曲はもともとポンセ作詞作曲の歌曲で、
夜空の星に、恋する相手の気持ちを尋ねる歌詞がついています。
スペイン語で書かれており、男女どちらの解釈も可能なようです。
穏やかな低音の伴奏とふわりと広がる和音、そしてなんといっても美しいメロディにうっとりします。
この曲の練習中、よく雲のない夜に、空を見上げて歩きながら歌っていました。
夜も、命も短いのです。
乙女は歩き、恋をしなければなりません。
近藤 望 (総人 2) |
「映画タイタニックのサウンド・トラックならば、単体で聴いても、 あの凍てつくような寒さや、華やかさ、沈む時が迫ってくる緊迫感、ふたりの愛の運命の切なさ、強さなり想像できるでしょう。
―昔何かしらオペラを見て学べたのは、どんな役にも人間模様がある…ということだったか、なんだったか―
私の「椿姫」解説など浅薄なだけ。
ヴィオレッタ、アルフレード、その父ジョルジョ、楽譜を下さった方をはじめとし、
失礼なオペラを皆さまに想像させないよう、感謝を込めて…」
岡田 成史 (理 2) |
パッヘルベルのカノンとしてあまりにも有名なこの曲は、1680年頃にドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルが作曲したバロック音楽の傑作です。400年以上たった今でも全く色あせることなく人々に感動を与え続けている、とても親しみやすい曲です。
今回の編曲は原曲のものとは少し異なりますが、ギターならではの美しくかつ軽やか音が次々と重なり合って美しいハーモニーを奏でてゆく様子は、最後まで聴くもの楽しませてくれるでしょう。
conductor | 原 大貴 (工 2) |
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1st | 広田 連 (理 1) / 綿井 博康 (農 1) |
2nd | 兼近 悠 (工 1) / 河村 悠太 (教 1) |
3rd | 石原 真理絵 (経 1) / 伊藤 雄馬 (文 2) |
イギリスの国民的作曲家エルガーが、後に妻となるキャロライン・アリス・ロバーツへ婚約記念に捧げた曲です。アリスは、エルガーのピアノの生徒であり、よき理解者でした。この曲はきっと二人で弾こうとエルガーが贈ったのでしょう。端々に登場する掛け合いのフレーズからはエルガーがヴァイオリン、アリスがピアノを奏でながら二人で語らっている姿が思い浮かぶようです。その優しい旋律は、エルガーの妻に対する深い愛情を感じさせます。
今夜は、皆さんをこの曲のように優しい気持ちでいっぱいにしたいと思います。
今日帰ったら、いつも傍にいてくれる大切な人に、感謝の想いを伝えてみませんか?
1st | 小山 ひかり (医 3) / 幡地 祐哉 (文 2) / 横山 大稀 (農 2) |
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2nd | 桑原 範好 (工 2) / 小島 千鶴 (文 2) / 中西 智宏 (工 2) |
3rd | 寺田 恵子 (総人 4) / 阪口 創 (理 3) / 栗田 修平 (理 2) / 増岡 千裕 (農 2) |
この曲の「King」は「王様」ではなく「キング牧師」であり、日本語ではキング牧師に捧ぐ歌と言います。
美しくも哀しいメロディで皆さんを惹き込み、終わった時にため息がもれる。そんな演奏になるよう心がけて弾きたいと思います。
楠本 隆雄 (工 3) |
パッサカリアとは三拍子の変奏曲を意味します。この曲は、黄色い日の光に満ち、心地よい冷たさをまだ残した早春のイメージでしょうか。繰り返される低音主題は、芽吹かんとしている草木の中に刻み込まれた自然界の秩序を思わせます。
鈴木 啓峻 (法 3) |
この曲は短調と長調の部分からなるトレモロの曲です。
短調の部分を聴くと、私は暗い海の底から水の流れが湧きあがってくる印象を受けます。
その流れの速度、濃淡、緊張感等が変化しながら、海面の光に向かって展開していきます。
そこには行き場を求める負のエネルギーがあります。
長調に転調した後は、光をあびながらも、短調の影を引きずります。
海面できらめく光。その輝きが霞むと、波に翻弄されるように、水の流れが海中へと沈んでいきます。
深海の闇と海上の光を行き来するように、長調と短調を繰り返しながら、不安定な中間部をむかえ、全体がかげります。
新たなフレーズが始まり、収束と拡散の後、荘厳な雰囲気が場を支配します。
最後の和音を聴くと、水の流れが徐々に消えゆくイメージとともに安心感がもたらされるでしょう。
竹田 和樹 (工 2) |
“ロマンス”とは抒情的な旋律を主とした器楽曲を指し、形式による拘束がなく今日に至るまで数多の作曲家の手によって大小様々な楽曲が産み出されてきた。良い音楽は眼に見えるという持論があるのだけれども、ぺらぺらとしたこの曲の楽譜に記されている音を拾い上げると、空間的な広がりと水彩画のような透明感を持ったイメージが浮かんでくる。
“ロマンス”という曲名は今や手垢まみれのものだけれども、古くから多くの作曲家は、ちょうど暗がりの中に電灯のスイッチを探す様に各々の“ロマンス”のイメージを探した結果かもしれない。そして、弾き手の私たちもやっぱりそのイメージを作曲家と共に探している。
今日はこの曲を通して何か同じものを皆様と見れたらなぁと思うなう。
近藤 望 (総人 2) | |
正尾 裕輔 (工 2) |
訳すると「神秘の障壁」といったところでしょうか。「障壁」とは一体何なのか、謎めいたタイトルがしばしば話題になる曲です。
懐かしい日々が淡いベールに包まれて、走馬灯のように思い出されてくるようです。クープランがどのような想いでこのタイトルをつけたのかは知る由もありませんが、私にはこの”barricades”が、硬い「障壁」というよりも美しい想い出を包み込んでくれる柔らかなベールのように思われます。
どんなに明るく生きようとしていても、時に辛いことや、悲しいことは起こるけれど、最後にはやっぱり楽しい気持ちが残って前向きに歩んでいこう、そんな想いを感じるような気がします。大変なこともあったけれど、充実していた私のギタークラブ生活を総括する曲として、様々な感謝の想いをこめて弾きたいと思います。
寺田 恵子 (総人 4) |
「あなたはどんな人になりたいですか」
と質問されたら、みなさんは何と答えるでしょうか。今の私は、こう答えるでしょう。
「このフーガのような人になりたい」と。
全てを包み込むような優しい旋律、ゆっくりと、そして堂々と進んでいくおおらかな曲調、そしてたった6本の弦から奏でられているとは思えない壮大な響き。
私はこのフーガのように、優しく、おおらかで、壮大な人になりたい、と弾いているうちに思うようになりました。
こんなに素晴らしい曲に出逢えたこと、それを自分の最後の定期演奏会で弾けることを幸せに思います。
今まで私を指導して下さった全ての方に、そして一緒にギターを弾いてきたギタークラブのみんなに感謝しつつ、精一杯演奏したいと思います。
佐々木 陽平 (農 4) |
ギターに出逢い、楽譜とメトロノームを頼りに歩き始めてもうすぐ4年。スペイン・フランス・ブラジル・・・さまざまな国を旅してきましたが、どの国にもそれぞれの音楽があり、感動がありました。
その中でも殊に心惹かれたのがコロンビアです。中南米の縮図ともいわれるコロンビアは地域ごとの風土の変化に富み、それに応じて多様な文化が培われてきました。そして音楽も・・・どこからか豊かな女性の声が聞こえてきたら、それは旅ゆく民のguabinaかも知れません。しばしの憩いの時間です。独特のリズムにあわせてラッパを吹いたり踊ったり、porroを楽しんでいる一団もあるでしょう。彼らは何日も踊り続けるのです・・・コロンビアの人々の心にはそれぞれの音楽が根付いていて、心臓は軽快にリズムを刻み、血管にはメロディがいきいきと流れているかのように感じられます。
そんなコロンビアの世界を今夜は私がご案内したいと思います。未熟者ですのでほんの一部しかご案内できませんし、どこまでその魅力をお伝えできるかわかりませんが、精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
それではみなさんご一緒に。
入国審査は、ございません。
岡宮 喬史 (法 4) |
タンスマンはフランスで活躍したポーランド出身の作曲家です。
プレリュードは激しい展開の曲なのですが、その中の音楽をちゃんと表現したいです。
谷 陽太朗 (理 3) |
まず、この曲を弾くことを許容してくれた部員に感謝したい。
そして、私の演奏を聴いてくれる皆さんに感謝を。
さて、私を知る人たちからどうしたお前熱でもあるんじゃないかと言われる前に本題に入ろう。今回は私が弾く曲の背景や解説を、私の知識と主観に沿って行う。それを知ることによって、奏者も聴衆もその音楽についてより深く、近く感じることができると信じる。
リュート組曲第1番はリュート(またはリュート=チェンバロ)のために書かれた独奏曲である。バッハ自身はリュートを奏さなかったため、彼がリュート用に遺した作品はあまり多くない。その中で、この作品はいわばリュート作品の「試作」的に作られた作品ではないかと私は思っている。他のどのリュート作品より作曲年は早い(1715年頃)とされ、曲構成もこの時代の典型的な組曲形式に則っている。すなわち、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの四つの舞曲を基礎とし、その最初にプレリュードを、ジーグの前にブーレを挿入した楽章構成である。その作風はフランス風序曲を思わせ、慣れない私にとっては曲の理解を難航させた。
6つの楽章全てがホ短調に始まり、二部形式で、ホ長調に終わるが、その性格はそれぞれに異なる。
フランス風序曲(この場合は組曲全体ではなく単一楽章を指す)に近い形式であり、緩やかで壮重なPassagio、急速でフーガ的なPrestoからなる。即興的であり重々しいPassagioは組曲の最初には似つかわしくないように思えるかもしれないが、それがこの組曲全体の性格を表しているように思う。一応4分の4拍子であるが、即興的であるがゆえ拍子に縛られすぎるのもナンセンスである。
一方で8分の3拍子のPrestoは緻密な対位法によって書かれており、独立した旋律が重なり合って様々に色を変えて進む。昨年の夏合宿でO氏がPresto部を称して「気がおかしくなりそう」と言ったのを未だに覚えている。
4分の4拍子であり、16分音符が無窮的に続く。個人的にはこの組曲中で一番渋いと思う。淡々とした中に熱い炎が感じられるが、過度な演出は雰囲気を台無しにする。最後の和音がギターでは演奏不可能なため、どう表現するか悩ましい。
3拍子であるが、フランス式クーラントのため2分の3拍子と4分の6拍子が時々入れ替わり、さらにヘミオラ的な部位も存在してリズムが複雑となり、解釈も多岐に渡る。(フランス式クーラントが必ずしも拍子の入れ替えを伴うわけではない。対比されるのはイタリア式クーラント)
組曲中最も踊りを意識させるが、上記の理由からこれを伴奏にして踊るのは少々無理がある。
初めてこの曲を聴いたとき、最初の一小節で惚れた。その感動を皆さんに伝えられたらと思う。
2分の3拍子。この曲もまた渋い。ゆったりとした三拍子の中に数多くの装飾音が入っているにもかかわらず、華やかにはならない。単純に短調だからという理由もあるが、その他にも、アルマンド同様抑えた想いを内包している気がしてならない。比較的和声的に進行していく中での、その最後の旋律の終わり方がたまらない。
4分の4拍子の跳ねるような音符が並ぶ楽章。この曲も踊りを意識させるが、リズムの変化があまりないのでクーラントよりはるかに踊りやすそうである。完全二声の単純な曲にも見えるが、後半の怒涛の転調は見逃せない。属調への転調を繰り返し、主調の同主調であるホ長調まで上がって音楽的頂点を築いた後、同じ勢いで調を下ってホ音にて曲を終える。
単一楽章として弾かれる事もある、比較的有名な曲である。
ブーレのホ音を受け継ぐ形の下降音形から始まる、8分の12拍子の急速な楽章。でありながら、完全に体位的な書法で書かれているために非常に難度が高い。ギターでは演奏不可能な箇所も多々見受けられる。しかし同時に全曲を締めくくるに相応しい存在感と重量を持つ。ほとんどが音階とアルペジオだけで出来ているというのに、僅か20小節の中に驚くほどのドラマを感じさせる、バッハの底力を垣間見れる楽章である。
長々と知識的な曲紹介をしてきておいて言うのもなんだが、もちろん、音楽は知識や遺伝子で歌うものではなく、魂で歌うものである。しかしながら、知識は音楽の方向性を定めやすくし、また説得力を持たせるのに役立つ。知ってできなくなる事より、知ってできるようになる事の方がはるかに多いのは事実だろう。私がパンフ係の不興を買ってでもこんな長い文章を書いた意図を汲み取ってもらえると幸いである。
大久保 慧 (農 4) |
「ブエノスアイレスの冬」は、組曲「ブエノスアイレスの四季」の中の一つとして知られています。ピアソラはバンドネオンという楽器の奏者で、この曲もバンドネオンを含むバイオリン、ピアノなど多人数用に作曲されました。それを1本のギターで弾くので、難しい曲です。
この曲を練習していると、昔習っていたピアノの先生のことを思い出します。僕は先生の演奏が大好きでした。まるで、絵本を読み聞かせてくれているようで、ドキドキワクワクでした。教えるときも、「ここでクマさんがでてくるよねぇ。」そんな感じで、僕の演奏にストーリーをつけようとしてくれました。最後の定期演奏会、先生の演奏に近づけるよう自分なりにストーリーを作って、楽しみながら練習してきました。
さて、季節は寒い寒い冬のお話です。最後どんな結末が待っているのでしょうか?ハッピーエンドで終わるといいですね。
今井 啓太 (工 4) |
Wie der Hirsch schreit nach frischem Wasser, so schreit meine Seele, Gott, zu dir.
「鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ、我が魂はあなたを慕いあえぐ。」
この曲は旧約聖書の詩篇第四十二篇に収められている一節をもとに、メンデルスゾーンが作曲したものである。
現実は、偽りのこの世は、無に等しい。全ては時の流れの中で色あせて枯れていく。何も信じられないのだから、生きることは荒野をただ一人歩き続けるようなものかもしれない。しかし、絶望の中で魂が永遠をこいねがうとき、真の世界が立ち現れる。
conductor | 鈴木 啓峻 (法 3) |
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1st | 近藤 望 (総人 2) / 岡田 成史 (理 2) / 寺田 恵子 (総人 4) / 原 大貴 (工 2) |
2nd | 谷 陽太朗 (理 3) / 橋村 秀典 (理 2) / 幡地 祐哉 (文 2) / 横山 大稀 (農 2) |
3rd | 小山 ひかり (医 3) / 大久保 慧 (農 4) / 竹田 和樹 (工 2) / 中西 智宏 (工 2) |
4th | 阪口 創 (理 3) / 岡宮 喬史 (法 4) / 小島 千鶴 (文 2) / 増岡 千裕 (農 2) |
5th | 楠本 隆雄 (工 3) / 桑原 範好 (工 2) / 栗田 修平 (理 2) / 佐々木 陽平 (農 4) / 正尾 裕輔 (工 2) |