Kyoto University Guitar Club

第 41 回 独重奏会

日時: 2013 年 06 月 21 日

場所: 京都市北文化会館創造活動室

目次

1st Stage

  1. Turegano
  2. Canarios
  3. トロイメライ
  4. Pine Cove
  5. Gymnopédie No.1
  6. 無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第1番 BWV1002 より テンポ・ディ・ボレア、ドゥーブル
  7. Waiting for Dawn
  8. Poema nostalgico
  9. 三千院
  10. Over the Rainbow

2nd Stage

  1. スラブ舞曲第7番
  2. 11月のある日
  3. Aquarelle より Ⅱ.Valseana
  4. ル・アルモニア
  5. 水神の踊り
  6. 来たるべきもの
  7. Prayer
  8. Sonata Concertata

3rd Stage

  1. ベネズエラ風ワルツ より Carora
  2. 盗賊の歌
  3. バーテンジャズ組曲 より Simplicitas
  4. 涙のパヴァーヌ
  5. Prelude No.5
  6. カスティーリャ組曲 より Arada
  7. 組曲「スペイン」 より タンゴ

1st Stage

Turegano

作曲
フェデリコ モレノ トローバ
Composer
Federico Moreno Torroba

この曲は、組曲「スペインの城」に収められている。これは、スペイン各地の城や土地柄を描写している。

このうち、Torija(悲歌)は、珍しく降った雨のようでしっとりとした印象である。これは日本でもよく演奏され有名である。

これとは対照的に、Tureganoは、からっと晴れた砂地を連想させる。そこには緩やかな坂道があり、少し歩けば城が見えてくる。その城にはゴシックほどの鋭さはない。正面だけ原形をとどめている。

裏に回ると階段状に残った城壁がある。その影は軽く舞っている。

夜になれば月光が城のかつての姿を甦らせる。疲れてちょうどそこにあった岩に腰かけたとたん、辺りは真っ暗になった。

松原 慎 (法 2)

Canarios

作曲
ガスパル サンス
Composer
Gaspar Sanz

スペインの明るい曲です。ネット上の演奏動画はテンポが恐ろしく速いのですが…リズムに気を付けながら楽しく弾きたいと思います。

花房 秀哉 (理 2)

トロイメライ

作曲
ロベルト アレクサンダー シューマン
Composer
Robert Alexander Schumann

シューマンの有名なピアノ曲です。メロディが駆け上がる所のテンポと盛り上がりを意識したいです。

池内 勇哉 (工 2)

Pine Cove

作曲
アンドリュー ヨーク
Composer
Andrew York

曲名となっているPine Coveとは作曲家であるヨークが住んでいる地名です。

ということで、今現在の住まいを思い浮かべてみて下さい。どんな感覚になりますか?落ち着く、楽しい、嫌な気分になる…色々な場合があるでしょう。ちなみに私は今の住まいは大変落ち着きます。それはもう授業からは目を瞑ってしまう程に。

そんな現在住んでいる場所をイメージしたこの曲は、爽やかな様に思えてたまにちょっと不思議な曲です。まるで私の様ですね。なんつって、はい嘘です言ってみたかっただけです。

この演奏を通して、穏やかで落ち着くかと思いきや急に非日常的な出来事に襲われる。でも、最後には再び日常がやってくる。そんなありふれた人生の様子が伝わればいいな、と思っています。

柳沢 かおり (工 2)

Gymnopédie No.1

作曲
エリック サティ
Composer
Eric Satie

ギリシア神話で酒を司る神、ディオニュソス。ジムノペディは古代ギリシアで行われたディオニュソス祭の舞踏「ジムノペディア」に由来する。青少年を全裸にして躍らせていたとか……。サティはジムノペディアをモチーフにした壺の絵を見て曲想を得たらしい。

有名な曲なので聴いたことがある人も多いと思います。サティが感じた神秘的なイメージを「言葉」でなく「心」で理解してもらえたら嬉しいです。

杉浦 航 (理 2)

無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第1番 BWV1002 より

テンポ・ディ・ボレア

ドゥーブル

from

作曲
ヨハン セバスティアン バッハ
Composer
Johann Sebastian Bach

無伴奏バイオリンのためのパルティータからの一曲です。

後半(ドゥーブル)が前半(ボレア)の変奏となっている構成です。

バッハ特有の流れるような美しい旋律と低音、中音のメロディーと調和した動きを感じていただけたら幸いです。

平子 丈 (理 1)

Waiting for Dawn

作曲
アンドリュー ヨーク
Composer
Andrew York

Waiting for Dawn つまり「夜明けを待っている」

みなさん夜明けというとどんなイメージを持っていますか?

すがすがしい朝の始まり、新しいことの幕開け、希望の光…やっぱりプラスのイメージですよね。

中には「朝か…授業行きたくないよぅ(´・ω・`)」という人もいるかもしれませんね(笑)

僕は朝がかなり苦手なので夜明けを見るなんてことはほとんどないですがやっぱり夜明けにはさっき書いたようないいイメージが浮かびます。

「夜明け」というとただ単に日が昇って朝を迎えるという意味だけでなく「新しいことの始まり」や「苦しいことから解き放たれる」という意味もやっぱり想像しちゃいます。顔に似合わず…

「夜明け」にこういう意味があるのなら「dawn」はどうだろう?と思って辞書をひいてみたらやはり英語でも同じような意味があるようです。人間が考えてることって案外世界共通なのも多いかもしれませんね。「明けない夜はない」なんて言葉もあるわけですからやっぱり朝は希望です……えっ!?極夜があるじゃないかって?いえいえ、極夜もいずれは太陽が昇って明けます。

この曲はそんないいイメージがいっぱいつまった感じの曲だと僕の中では思っています。

こんな僕でも今日の演奏で夜明け、幕開け、希望…それらを待っている情景をみなさんに伝えることができたら、それはとっても嬉しいなって思ってしまうのでした。

梶 龍馬 (工 2)

Poema nostalgico

作曲
J.M. レイモン
Composer
J.M. Raymond

フランス生まれである作曲者のレーモンは、幼少時をモロッコで過ごしたのち再びフランスに帰国したそうです。「Poema nostalgico」は、そんな南米特有の情熱的で哀愁漂うメロディが特徴的な曲です。

遠い故郷、懐かしい子供時代を思い出す時の、甘い切なさや優しさを表現できるよう頑張ります。

渡辺 悠夏 (経 2)

三千院

作曲
アンドリュー ヨーク
Composer
Andrew York

紹介:(http://www.sanzenin.or.jp/)


ゆったりとした空気の中で綺麗な鐘の音が響く山奥の寺院が夢想出来れば幸いです。

内山 隆太 (理 3) / 本多 信太郎 (工 3)

Over the Rainbow

作曲
ハロルド アーレン
Composer
Harold Arlen

1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』で、ジュディ・ガーランドが歌った劇中歌です。その甘美なメロディと、夢と希望に満ちた歌詞は映画公開後も世界的に広く親しまれ、今でもスタンダード・ナンバーとして多くのアーティストによってカバーがなされています。

クラシックギターのナイロン弦で奏でる優しい旋律をお聴きください。

conductor江頭 佑駿 (工 2)
1st石井 裕樹 (工 2) / 見内 伸之 (工 2) / 三田 佳那子 (工 1) / 安田 真理子 (同 1) / 吉村 沙樹子 (京 1)
2nd植野 夏樹 (工 2) / 橘 佳菜子 (ノ 1) / 半場 悠 (理 1) / 平子 丈 (理 1)
3rd加藤 功一 (理 1) / 福田 壮二郎 (理 1)

2nd Stage

スラブ舞曲第7番

作曲
アントニン ドヴォルザーク
Composer
Antonín Dvořák

スラブ舞曲第7番は、コサックダンスを思わせる華やかな一曲です。


我々の女子力の高さを思い知れ。

1st金丸 花実 (文 2) / 渡辺 悠夏 (経 2)
2nd良永 裕佳子 (工 3)
3rd井川 桃子 (総人 3) / 吉村 沙樹子 (京 1) / 岸本 明子 (文 3) / 柳沢 かおり (工 2)

11月のある日

作曲
レオ ブローウェル
Composer
Leo Brouwer

キューバの作曲家レオ・ブローウェルによる小品。映画の主題歌として使われました。


冷たい風に散る木の葉、募る寂しさ。

突然照りつける光、明るくなる心。

次第に光は雲に隠れ、静かに一日の終わりを迎える……。


そんな物語の流れを感じさせるような演奏にしたいです。

網井 圭 (工 2)

Aquarelle より

Ⅱ.Valseana

from

作曲
セルジオ アサド
Composer
Sergio Assad

アクアレルは水彩画。イメージは透明な水の波紋がキャンパスに広がる感じ。

内山 隆太 (理 3)

ル・アルモニア

作曲
マウロ ジュリアーニ
Composer
Mauro Giuliani

『ル・アルモニア』はイタリア語で「調和」という意味です。

アルペジオの綺麗な曲ですが、けっこう派手な曲でもあります。そこがこの曲の魅力的なところでまた難しいところです。派手さを表現できたらいいなと思います。

吉村 沙樹子 (京 1)

水神の踊り

Naiadesは、水の妖精たち。

美しく魅惑的で、時として残酷で。


ほら、あなたのすぐそばにも、Naiadesが来ています。

彼女たちの踊りに、あなたも加わってみませんか。

井川 桃子 (総人 3)

作曲
アレクサンドル ラゴヤ
Composer
Alexandre Lagoya

プレスティ&ラゴヤといえばギターの世界においてあまりにも有名な夫婦のデュオですが、この曲はラゴヤが公私共にパートナーとなるイダ・プレスティに献呈したものです。二人が結婚した翌年に彼女がこの曲を演奏した録音からも、幸せな様子が伝わってくる気がします。


不協和音をふんだんに取り入れたり、突然に思いもよらないような旋律を挿入してみたり、どこか掴みどころの無いこの曲はまさに「夢」という名に相応しいと日々感じています。それはまるで、言葉遊びを存分に愉しんで書かれた小説を読むような、本編とは関係ないような映像を急に挿入する映画を見ているようです。それでも、何か重大な小難しいことを語ろうとするのでなく、「音で遊んでいる」印象を受けます。細かいことに囚われずに、奔放に生きている人が曲の中に生きているかのようです。


はじめのうちは、ラゴヤが愛する人に捧げた曲なのだから、明朗闊達に弾きたいと考えていました。しかし、最終的には自分がじっさいに演奏する時に感じるままに弾くほうが、この曲には似合うのではと、今では思います。いつまでも不器用で拙いままの私ですが、どうぞ聞いてください。

阪本 浩太 (文 4)

来たるべきもの

作曲
アストル ピアソラ
Composer
Astor Piazzolla

何が来るのか!?

貫 龍太 (経 4) / 兒島 清志朗 (工 3)

Prayer

作曲
フレデリック ハンド
Composer
Fredelic Hand

とても綺麗で優しい曲です。


頑張ります(≧∇≦)/

山崎 智史 (文 3) / 本多 信太郎 (工 3)

Sonata Concertata

パガニーニは、当時愛人だった女性ギタリストと一緒に演奏するためにこの曲を作ったそうです。……なぜこの曲を選んだか。それはつまり、そういうことなのです。(意味深)


パガニーニの曲にしては技巧的すぎず、まさに“協奏的”な1曲です。楽しそうに語り合う雰囲気を感じていただければと思います。


今回、ヴァイオリンパートを京大オケの吉貞くんが快く引き受けてくれました。ありがとう!


(文責:金丸)

Vn吉貞 祥護 (友情出演)
Gt金丸 花実 (文 2)

3rd Stage

ベネズエラ風ワルツ より

Carora

from

作曲
アントニオ ラウロ
Composer
Antonio Lauro

ベネズエラワルツの1つで、2拍子と3拍子の入れ替わりが特徴的で、力強くも軽やかで華やかな曲です。

盗賊の歌

作曲
カタルーニャ民謡
Composer
Catalan Folksong

盗賊、という名前を冠しているにも関わらず、優しげな曲調。

話によると、この曲の中の盗賊は、悪行を重ねすぎて極刑宣告をされているそうです。わお。…彼にも色々思うところがあったのでしょう。

個人的には、光が差し込む教会の中で、お祈りする盗賊の姿が思い浮かぶのですが、皆さんはどうですか?

岸本 明子 (文 3)

バーテンジャズ組曲 より

Simplicitas

from

作曲
イル イルマル
Composer
Jiri Jirmal

Baden Jazz Suiteはブラジルのギタリスト、Baden Powellへのオマージュ作品とされています。その一番を今日は演奏させていただきます。途中で終わりそうになりますが…終わりません。最後までご理解ご協力お願い致します。

宇野 匡範 (工 3)

涙のパヴァーヌ

作曲
ジョン ダウランド
Composer
John Dowland

ジョン・ダウランド(1563~1626)はイギリス・リュート楽派を代表する作曲家です。

今晩僕が演奏するのは、ダウランドの作品の中で最も有名なリュート独奏曲です。この曲はダウランド自身によってリュート伴奏付の歌曲「流れよ、わが涙」に編曲もされています。以下に引用するのはその歌詞です。

Flow my tears fall from your springs,
Exil’d forever let me mourm
Where night’s black bird her sad infamy sings,
There let me live forlorn.

Down vain lights shine you no more,
No nights are dark enough for those,
That in despair their last fortunes deplore,
Light doth but shame disclose.

Never may my woes be relieved,
Since pity is fled,
And tears, and sighs, and groans my weary days,
Of all joys have deprived.

From the highest spire of contentment,
My fortune is thrown,
And fear, and grief, and pain for my deserts,
Are my hopes since hope is gone.

Hark you shadows that in darkness dwell,
Learn to contemn light,
Happy, happy they that in hell,
Feel not the world’s despite.

僕はこの歌の題名が”Flow my tears”であるところに意味深いものを感じます。本当に深い悲しみや絶望の中にあるときは涙さえも流せないものだと思うからです。

そうした感情を表現するには、今の僕はまだまだ音楽的にも技術的にも未熟ですが、自分なりにこの曲を精一杯演奏したいと思います。

山崎 智史 (文 3)

Prelude No.5

作曲
エイトール ヴィラ=ロボス
Composer
Heitor Villa-Lobos

ブラジル出身の作曲家、ヴィラロボスによる5つの前奏曲のうち、第5番にあたる作品。彼が7年間のパリでの活動を経て完全帰国した後、10年後に作曲したものだという。この曲からは、当時の中南米における土着民族とヨーロッパ系民族との混血や文化の融合の情景が想像されるように思う。そこに存在したのはきっと、2つのものが葛藤しながらも反応し昇華することで生まれる大きな力…


息を呑むような強靭さと美しさを持つ力を、そしてその輝くような魅力を、私の拙い演奏により少しでもお伝えすることができるよう、精一杯演奏させていただきます。

良永 裕佳子 (工 3)

カスティーリャ組曲 より

Arada

from

作曲
フェデリコ モレノ トローバ
Composer
Federico Moreno Torroba

トローバは20世紀に活躍したスペインの音楽家で、多くのギター曲を作りました。

今日はその1つであるカスティーリャ組曲から、Aradaを弾きます。

どうぞお楽しみください。

河村 悠太 (教 4)

組曲「スペイン」 より

タンゴ

from

作曲
イサク アルベニス
Composer
Isaac Albéniz

われわれ4回生は、よく言えばそれぞれの個性の強い、悪く言えばバラバラの学年でした。現在は8人ですが、初期メンバーは4人で、3回生になってから入部してきた人もいます。ボックスにくる頻度も、毎日4時間も5時間も来る人もいれば、一週間で一度も来ない人もいます。そんな「バラバラ」の4回生が、今回初めて自発的に集まり、結成したのがこの四回生合奏です。

われわれが今回お送りする曲は、スペインの作曲家アルベニスの作品、組曲「スペイン」より「タンゴ」です。この曲ではサロン的な趣の中に、純粋にスペインの情景が描かれています。主題は暑い季節のシエスタのようなけだるさも感じられるのんびりしたものですが、その後さまざまな天気の諸相が垣間見えます。日照りが続いたり、曇ってきたり、雨が降ったり。しかし最後は、曲の初めに見た(聴いた)ような晴れ間が戻ってきます。物事も天気のようにコロコロと移り変わっていくもので、残念ながらハッピーエンドで終わってくれないこともたくさんありますが、せめてこのひと時、この演奏会くらいはほっこり終わりたいですね。雨が止んだ後に空から差し込むおだやかな光のような、そんな暖かさを最後に感じていただければ幸いです。

1st兼近 悠 (工 4) / 阪本 浩太 (文 4)
2nd貫 龍太 (経 4) / 綿井 博康 (農 4)
3rd久米 達也 (工 4) / 広田 連 (理 4)

内容に関する問い合わせその他は管理人まで
1997 - 2011 © KUGC All Rights Reserved.